【業務関連】広告アカウントの運用・改善方法について

ここでは、広告アカウントの運用・改善方法について解説します。

大まかな内容は以下の通りです。

  1. 広告運用の心得
  2. 運用・改善方法
    クリック率を改善したい
    CPAを改善したい
    CPCを下げたい
    CVRを改善したい
    配信ボリュームを増やしたい(もっと予算を使いたい)
    あとどれくらい予算を上げることが出来る?
    広告のABテストをしたい
  3. 日々の運用
    予算の調整
    入札の調整
    KWの追加
    KWの除外・停止
    広告表示オプションの設定

1.広告運用の心得

前日と比較、前週と比較、前月と比較して変動があるかチェックしましょう。
目安として、前週・前月より±30%以上の変動がある場合は「異常あり」とし、改善が必要です。
※±30%に当てはまらなくても改善が必要な場合もあります!

(例)
・先月CPAが10,000円だったアカウントで13,000円まで上がっている
・先月のCVRは3.0%だったけど、今月は2.4%まで落ち込んでいる
・先週はCPCが200円だったのに、今週に入って260円になってしまっている など

 

◆良い変化であればそのまま継続、悪い変化であればテコ入れします。
(悪い例)CVRが下がっている、CPAが上がっている、CPCが上がっているなど
※案件によっては必ずしもCPCが上がっているからといって悪い訳ではないので注意!基本的にはCPAが改善出来ていればOK。

 

◆何が悪くなっているかは、
キャンペーン単位 ⇒ 広告グループ単位 ⇒ KW単位
というように、まずは大きい単位から見て改善していきます。
何が悪いか突き止められたら、この後にある内容を参考に改善してみてください。

 

◆アカウントの異常に気づいたら、改善点を出して早急に改善。
また、営業担当にも共有しましょう。

 

「今月の予算」「現在消化している費用」「CPC」「CV数」「CPA」は、
大体の数値でいいので聞かれたらすぐに答えられるくらいに把握しておくこと。
これが分かると、アカウントの不調・異常に気づきやすくなります。

 

「何が起こっていて」「どういう対処が必要で」「それをすることでどうなって」「次にどうするか」
ということが常に考えられていることに加え、直接お客様対応をする場合は、
「お客様にどう伝えれば今後の関係が良好に保てるか」を考えることが必要になります。
同じ結果でも伝え方だけで印象は大きく変わります!

 

◆一ヶ月通して、日予算変更以外は何もアカウントを触っていない、という
アカウントの放置は無くしましょう!
入札を変える、広告文を変える、広告表示オプションを追加する、など
出来ることは色々あるかと思います。
変更したら、その前後の結果を比較し、改善されているかどうかの確認が必須です。
どの案件についても、「今月やったこと」「それによる変化」「来月やること」
スラスラ出てくるようになれば良いかと思います!

2.運用・改善方法

これから出てくることは、アカウント改善の考え方の基本です。
この基本の考え方が染み付けば、あらゆる場面で応用が出来るようになります。
ただ、アカウント改善には正解もなければ終わりもないので、
ここに書いてあることが正解だとは思わずに(矛盾している感じがしますが・・・)
常にアンテナを張って新しい情報を仕入れ、改善し続けましょう!

クリック率を改善したい

クリック率は、

▼広告文の修正
▼広告表示オプションの修正
▼入札の変更
▼KWの見直し

によって改善することが出来ます。
クリック率を上げることで、CPCを抑えることが出来るようになるメリットがあります。
クリック率の善し悪しの判断については、案件によって異なりますが、Googleの場合、
指名であれば15%以上、指名以外であれば3%以上を目指したいところです。
(掲載順位や業種によって大きく異なるのであくまでも目安と考えてください)

▼広告文の修正

クリック率を上げる、となった場合にまず取り組むべきは広告文の修正かと思います。
ターゲットに刺さる広告文で打ち出すことでクリック率を上げることが出来ます。
グループ内のKWを含む広告文を作成することで、関連性が上がり、クリック率の向上も見込めます。

  • エリア名
  • 数字(金額、期間、実績数など)

を入れると、クリック率が上がりやすい傾向にあります。
クリック率の悪いものは停止し、新しいものを追加するなどして、
クリック率の良いものだけを残し、改善させられるようにしましょう!

▼広告表示オプションの修正

広告表示オプションをつけることでもクリック率の向上が見込めます。
設定することで、検索結果ページでの広告の表示可能性や視認性が高くなり、
広告の成果も向上することが期待できます。
サービス内容に合うものは、基本的には全て適用することをGoogleが推奨しています。
中でも、コールアウトは掲載順位が低くても表示される可能性が高いオプションなので、
何から導入するか迷ったときには、コールアウトの設定をおすすめします!

▼入札の変更

上記2つをしっかり対策したとしても、入札が低く掲載順位が低すぎる場合は、
当然ですがクリックもなかなかされません。(それどころか表示されない場合も多々あります)

掲載順位の目安として、指名以外のキャンペーンであれば、
2.5~3.5位くらいに入っていれば良いかと思います。
※CPCを出来るだけ抑えて配信したい、出来るだけ上位に配信したい、
などの場合はこの限りではありません

▼KWの見直し

設定しているキーワードと広告文の関連性が低いと、せっかく検索されて広告が表示されても、
ユーザーが求めている内容とズレてしまっているので、クリック率は上がりません。
当たり前の話になりますが、「これは私が求めている情報だ」とユーザーが思ったときに
クリックに繋がるので、キーワードと広告文が合わない、ということが起こらないようにしましょう。

CPAを改善したい

CPAは、費用÷CV数 という計算式で表すことが出来ますが、さらに突っ込んで考えてみると、
【費用】=クリック数×CPC
【CV数】=クリック数×CVR とも言えるので、
(クリック数×CPC)÷(クリック数×CVR)=CPA ということになり、
CPC÷CVR=CPA と言い換えることが出来ます。
つまり、CPAを改善させるためには、
「CPC」「CVR」を改善させることが重要になります。

CPCが下がればCVRが下がってもCPAを維持することが出来ますし、
CVRが上がればCPCが上がってもCPAを維持することが出来ます。

例えば、
・CPA10,000円目標
・CVRは毎月2%くらい
というアカウントがあった場合は、
CPCが200円を超えなければCPA10,000円以内に出来る計算になります。
※10,000円×2%=200円

CPAだけを守れば良いのであれば、上記の通り、
CPA目標と現状のCVRから考えてCPCを計算し、その通りに配信していれば良いのですが、
恐らく要望として多いのが、
「CV数は維持したまま(もしくは増やしながら)、CPAを良くしたい」というものです。

その場合に行う具体的な施策としては、
▼CVRの改善 ※「CVRを改善したい」ページ参照。
▼無駄な配信の停止
になります。

▼無駄な配信の停止

これに関しては、
CPAの悪い広告、KW、エリア、時間、デバイスなど、不要なところを止めていく作業になりますが、
停止する=配信ボリュームが減る、ということにも繋がるので、注意が必要です。
※インプレッションシェアを確認し、予算損失がある場合は配信ボリュームが減っても大丈夫です!

ボリュームが唯一減らないのが「CPAの悪い広告文の停止」なので、
何かを停止してしまうと予算を使えない、ということであればここをチェックすべきかと思います。

▼KWの精査

無駄KWの停止に関しては、3ヶ月~半年くらいの期間で絞って、不要なものを見極めて停止します。
(100万円以上の案件であれば3ヶ月くらいで充分なデータがあると思いますが、100万以下の案件は半年くらいの長めで見る方が良いです)

停止する優先順位としては、
① 目標CPA以上に費用を使っているのにCVが出ていないもの
⇒今後もCVが見込めないと判断し、停止。
仮に1件CVが出ても目標CPAを上回っているので不要です。

② CVが1件しか出ていなく、CPAも目標値を上回っているもの
⇒1件はたまたまCVしただけ、という可能性が高いので、
まだボリュームに余裕があれば停止しましょう。

③ CVは複数件出ているものの、CPAが目標値を上回っているもの
⇒CPAにシビアな案件であれば、
こういったCPAを引き上げる要因になっているKWも停止の必要がありますが、
ここまで止めてしまうとCV数を維持するのが難しくなるケースの方が多いと思うので、
案件の状況によって判断が必要です。

▼KW除外

KWの停止も必要ですが、無駄KWの除外も必要です。
こちらも過去の検索クエリ(出来るだけ長い期間)のデータを見て、
① 目標CPA以上に費用を使っているのにCVが出ていないもの
② CVが1件しか出ていなく、CPAも目標値を上回っているもの
③ CVは複数件出ているものの、CPAが目標値を上回っているもの
の順に除外していけば良いかと思いますが、
それだけではなく、CV0件のクエリの中に共通した語句がある場合があるので、
そういった無駄なものも除外の対象になります。
(例えば、「無料」を含む検索でCVしている人がいない、など)

▼エリア・時間・デバイスなどの停止

これは、KW精査が終わったあとに着手した方が良いかと思います。
必要なKWだけに絞り込んだにも関わらず、
エリア・時間・デバイスによる偏りが解消されない場合に停止を検討します。
また、エリアや時間はお客様の指定がある場合もあるので、
これらの変更は基本的には行わないですが、
どうしようもなくなったときに実施する、くらいのイメージで考えてもらえればと思います。

因みに、エリア・時間・デバイスで入札調整が出来ますが、
自動入札を使った場合はこれらの調整が無視され、自動入札が優先されるので要注意です。
自動入札を使うようであれば、弱めたいエリア・時間・デバイスは削除してしまいましょう。

CPCを下げたい

CPAを改善するには「CPC」と「CVR」の改善が必要ですが、
そのうちの「CPC」の改善についてです。

CPCを下げるためには、
▼入札を下げる
▼品質スコアを上げる
▼広告表示オプションをつける
という3点によって改善が出来ます。

▼入札を下げる

入札を下げれば当然CPCは安く抑えられます。
ただ、CPCを抑えることにも、メリット・デメリットはそれぞれあります。

~メリット~
・1クリックあたりの単価が安くなるので、予算内で獲得出来るクリック数が多くなる
・流入が多くなるので、CV数もその分増える可能性がある

~デメリット~
・掲載順位が下がるので、ユーザーの目に触れにくくなる
(=クリックされにくくなる、CTRの低下、予算消化ペースが下がる)
・上位に掲載されている競合にお客さんを取られる恐れもある
(=CVされにくくなる、CVRの低下)
・入札を下げすぎると表示すらされなくなることがある
・広告表示オプションが下位だと表示されにくいので打ち出せる強みが減る

以上の内容から、ただ闇雲に入札を下げるのではなく、
「頂いている予算分のクリックが獲得出来るギリギリまでCPCを抑える」
「CPAが上がってしまわない程度のCVRは確保する」
ということが必要だと分かるかと思います。

そのラインを探る手順としては、
① 予算によるインプレッションシェアの損失があるかどうか確認する
⇒予算損失がある場合は、入札を下げてもまだまだクリックを確保できる可能性が高いです。

② 地道に2日に1回程度のペースで入札を下げていく
⇒下げる幅としては、今のCPCの5%程度を目安にします。
(CPC200円の場合は10円下げるというイメージです)
一気に下げると広告が表示されなくなるリスクがあります!慎重に。
また、頻繁に変更を加えてしまうと、結局どれが良かったのかが見えにくくなってしまうので、
目安として2日くらいは様子を見た方が無難です。

③ 予算が充分に使えなくなるラインがくるので、その手前に戻す
(例)入札100円のときは日予算を消化出来ていたが95円だと消化出来ない、
となった場合は100円に戻します。

上記の手順で進めながら、もしCPAが上がってしまったら、
CVRが大きく悪化しているということなので、
入札を戻したり、CVR改善を進めたりする必要があります。

CVRが悪化する原因として、掲載順位の低下だけでなくもうひとつ挙げられるのが、
グループ単位で入札を下げることで、CVしやすかったKWが表示されなくなる、というのがあります。
KW単位で入札を調整している場合は問題ないのですが、
広告グループだけで見てしまうと、
CPCは高かったもののCVにも繋がりやすかったKWが表示されなくなってCV数が減る、
ということも起こり得ます。

「CPCは高いが多くのCVが獲得できるKW」と、
「CPCは安いが全くCVが獲得できないKW」であれば、
前者を優先した方が良いかと思うのですが、
グループで全てのKWに対して同じ入札を適用していると、このようなKWを見落としやすくなります。
CVが減った、CVRが低下した、CPAが悪化したというような変化に気づいたら、
過去にCVしていたKWが今もちゃんと表示されているか?を確認した方が良いです。

▼品質スコアを上げる

品質スコアが高くなればなるほどCPCは安く配信が出来るようになります。
品質スコアは「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディング ページの利便性」
3要素で成り立っていますが、
そのうち最も影響するのが「推定クリック率」と言われています。
クリック率を高めて品質スコアを上げ、CPCを抑えた運用が出来るようにしましょう。
※クリック率を高める方法は、【クリック率を改善したい】ページ参照。

▼広告表示オプションをつける

広告表示オプションを追加することで、安い単価で同等のクリック数を獲得する助けとなります。
と、Googleから正式に公表されています。
また、広告表示オプションをつけることで、クリック率が10~15%ほど向上するという
データもあるようなので、サービスに合ったものは出来るだけ全て設定するようにしたいところです。

CVRを改善したい

CPAを改善するには「CPC」と「CVR」がカギですが、
そのうちのCVRは、
▼ページの改善
▼KW、TDの見直し
によって改善することが出来ます。

▼ページの改善

CVRを大きく左右するのはページです。
サービスが良くても上手く表現出来ていないとCVRは良くならないですし、
逆にサービスがあまり他社と大差なくても、見せ方によってCVRを上げることは可能です。

ここはアカウント上ではどうしようもないところですが、
オーエス制作のLPならLPOで改善したり、他社制作のものであっても改善案を伝えてあげたり、
CVRを向上させるためにはページ改修が最も効果的です。

▼KW、広告文の見直し

ページがどれだけ素晴らしくても、ターゲットでない人に見せてしまっているとCVRは上がりません。
適切なターゲットに対して表示させるためのKWの選定も重要です。
また、TDに関しても、ページの内容とかけ離れたものになってしまっていると、
TDのイメージとのギャップが生まれ「これは求めている情報と違う」と判断されて
離脱される可能性が高まります。
こちらはアカウント上で改善出来るところになるので、ページの改善提案と併せて行いましょう!

※CVRを左右する外的要因
サービス内容が優れている競合他社が出てきたり、CVが出にくい時期であったり、
こちらの運用だけではどうにもならない要因が絡んでくることもあります。

その業種の繁忙期・閑散期を把握しておくことで、
突然CVが出なくなった場合でも焦らず対処できるようになります。
また、定期的に競合の状況を調べておくことで、
CVRが下がった要因を推測することができ、
広告文でどういった強みを打ち出した方が良いのかを考えるのにも役立ちます。

配信ボリュームを増やしたい(もっと予算を使いたい)

配信ボリュームを増やすために考えることは、
▼予算を上げる
▼入札を上げる
▼KWを追加する
▼地域や時間を拡大する
▼配信メニューを増やす
の5点になります。(優先度順)

▼予算を上げる

インプレッションシェアの予算による損失がある場合は、日予算を上げることで対処しましょう。
ボリュームを増やす上でまず真っ先に行う作業はこれです。
また、集中化に切り替えることも予算消化を促すことに繋がります。
※集中化に切り替えたあとは、早い時間帯で予算を使い切ってしまうことがよくあるので、
夕方や夜の方がCVが出やすいアカウントに使う場合は注意が必要です。
昼間に消化し終えてしまってCVにも繋がらない場合は、
集中化から標準に戻すことで解決することがあります。

▼入札を上げる

予算の損失がなくなったら、次はランク損失を見ます。
ランク損失がある場合は、入札を上げることで配信ボリュームを増やすことが出来るようになります。
CVが出ているもののランク損失が大きいものに関しては優先的に上げていきましょう。
※但し、CPAの目標がある場合は、
最低限守らなければいけないCPCのライン(【CPAを改善したい】ページ参照)があるはずなので、
それを超えてしまわないよう注意が必要です。

「予算を上げるとCPAが上がる」とよく言われますが、
ボリュームを増やすためには入札を上げることになるので、
CPCも上がり、結果的にCPAが悪化する、という仕組みです。

▼KWを追加する

当然ですが、KWを追加すればそれだけ配信される機会も増加するので、
配信ボリュームを増やすのに有効です。
これまで絞り込み部分一致しか入れていなかったKWを部分一致で追加する、
全く新しいKWを追加する、などで対応します。
部分一致を追加した場合は、拡張してあらゆるクエリで拾ってきてしまうので、
こまめに検索クエリを見て、無駄な流入がないかチェックすることが必要です。

▼地域や時間を拡大する

これまで配信していなかった地域や時間帯も追加することで、
配信ボリュームを増やすことが出来ます。
但し、これらの設定はお客様の要望である場合も多いので、
追加しても良いかどうかは確認する必要があります。
また、地域追加の際には、単に近くの地域を追加するのではなく、
実際の集客状況を聞き(どの地域からのお客様が多いか、など)
それに合わせて設定をすることで結果に繋げやすくなるかと思います。

▼配信メニューを増やす

当然の話ですが、配信メニューを増やすことで配信量を増加させる、という手段です。
ディスプレイを始めてみる、リマケだけでなく類似も配信する、
Facebookも始めてみる、など様々あります。

メニューを増やす場合の考え方ですが、
GYのリマケが好調なようであれば、リマケの配信面を増やすことで、
CPAを維持したままCV数が増える、とイメージ出来るかと思います。
FBやロジカドなどの活用で、GYだけでは配信出来なかった面にも
リマケで配信することが出来るようになるので、
獲得数を増やせる可能性が高く、且つリスクは低く始めることが出来ます。

ただ、リマケにも限界があるので、さらに配信したい場合は、
類似やその他のターゲティングによってボリュームを増やすことになります。
もし、検索でCVするKWがある程度定まっている場合は、
そのKWを用いてYDNのサーチターゲティングの活用が個人的にはオススメです!

あとどれくらい予算を上げることが出来る?

「予算っていくらくらい使えばいいですか?」
「あとどれくらい広告出せそうですか?」
など、お客様から質問されることがよくあります。
広告配信前に聞かれた場合と、広告配信中に聞かれた場合の、2パターンの対処法を記載します。

~広告配信前の場合~

配信前、「予算いくらにしたらいいですか?」という質問は、かなり頻繁にされます。
その場合、
① お客様の目標に合わせて提案
② 検索ボリュームに対して配信出来る最大数を答える
の2通りの回答があります。

①-1 お客様の目標に合わせる 【目標CV数が決まっている場合】
⇒LPを見て大体のCVRが読めれば良いですが、
それが難しい場合はCVR0.5%、1%、1.5%の3パターンで計算するのが無難です。
キーワードプランナーで大体のCPCを見て、目標のCV数に達する予算をお伝えしましょう。

(例)目標CV数:10件 CPA目安:200円 の場合
CVR0.5% ⇒ 200円÷0.5%=40,000円(CPA)⇒ CPA40,000円×10CV=広告費400,000円
CVR1.0% ⇒ 200円÷1.0%=20,000円(CPA)⇒ CPA20,000円×10CV=広告費200,000円
CVR1.5% ⇒ 200円÷1.5%=13,333円(CPA)⇒ CPA13,333円×10CV=広告費133,333円

☆応用編
「あと○件CV増やしたいんだけど・・・」と、お客様から相談された場合も、
この考え方で提案することが出来ます!
配信中に相談されることが殆どだと思うので、CVRに関しては配信中の値を当てはめることで
現実的な数字になるかと思います。

①-2 お客様の目標に合わせる 【目標CPAが決まっている場合】
⇒こちらもキーワードプランナーを活用します。
①はCPCの相場を見るために利用していますが、
今回は想定されるクリック数を見るために使います。

(例)目標CPA:20,000円 の場合

CVR0.5% ⇒ CPA20,000円×0.5%=100円(CPC)
100円×検索ボリュームから推定されるクリック数=広告費

CVR1.0% ⇒ CPA20,000円×1.0%=200円(CPC)
200円×検索ボリュームから推定されるクリック数=広告費

CVR1.5% ⇒ CPA20,000円×1.5%=300円(CPC)
300円×検索ボリュームから推定されるクリック数=広告費

※CPCがそれぞれのケースに当てはまるようキーワードプランナーの入札を調整します。

② 検索ボリュームに対して配信出来る最大数を答える
⇒やはりこちらもキーワードプランナーを活用します。
設定するであろうキーワードを考えられるだけ全て挙げ、総検索ボリュームを見ます。
入札も上げられるだけ上げ、使える最大の予算を割り出します。

~広告配信中の場合~

配信中、「CPAを維持したままあとどれくらいボリューム増やせそうですか?」と
いうような質問もされることがあります。
その場合は、現在のインプレッションシェアから割り出すことが出来ます。

理屈を考え始めると頭が混乱するので、シンプルに、
日予算3000円、インプレッションシェアの予算損失が20%の場合
【3,000円÷(100%-20%)】で出すことができます!
(ここは運用云々ではなく算数の分野になるので気になる場合は調べてみてください)

3,000円÷80%=3,750円 なので、
日予算3,750円まで上げても現在のパフォーマンスを維持出来る、ということになります。

広告のABテストをしたい

どんな広告文が良いか判断するため、複数のパターンでテストを実施したい、という場合や、
お客様から「ABテストしてほしい」と依頼された場合の進め方です。
ABテストを実施するにあたって浮かびそうな疑問とその回答について以下にまとめました。

▼広告文の善し悪しはどこで判断すべきか?

⇒基本的にはクリック率で判断出来ます。
但し、お客様によってはCVRやCPAを重視されている場合もありますし、
クリック率が良くてもCVRは雲泥の差、ということがあれば、
CVRやCPAを優先する場合もあります。
ここで迷わないために、ABテスト実施前に、
お客様と「どこで広告の善し悪しを判断するか」を決めておくと進めやすいです。

▼どれくらいデータが溜まったら判断できる?

⇒ABテスト期間が決まっていれば良いですが、
決まっていない場合はいつまでテストをすべきか迷うところです。
テストを実施している広告グループで最低でも合計100クリックはないと、
判断が難しいと思います。(TDが2パターンの場合)
母数が少なすぎると、データの信憑性がほぼありません。
極端な例ですが、
表示10・クリック1のCTR10%と、
表示20・クリック1のCTR5%で比較しても仕方がない、
と考えるとイメージしやすいかと思います。

▼同じグループに入れると表示・クリックが偏る・・・

⇒自動で最適化されてしまうので、パフォーマンスが良いものに配信が偏ってきます。
それでも問題ないお客様であれば良いですが、
出来るだけクリックを均等にしたい!という要望がある場合もあります。
そのときは、広告バリエーションを活用することで、
予算を均等に割り当てることが出来るようになります。
※「広告バリエーション」の詳細は様々な記事で取り上げられているので割愛

▼どんなパターンで試せばいいかわからない

⇒これもお客様によって変わってきますが、ABテストの基本で言うと、
広告見出し1・広告見出し2・説明文 の3要素があるとすれば、
そのうちの1つだけを別のものにして、あとの2つの要素は全く同じもので試す方法が一般的です。
こうすることで、何によって差がついたか・どの訴求が刺さったかが明確になりますが、
もし全ての要素を違うものにしてしまうと、結局どの訴求が良かったのかが分かりません。

3.日々の運用

日々のアカウント改善で、何をすれば良いか迷ったときは、
以下を参考にしてみてください。

また、「何か変更を加える」ということは、作業をするだけではなく、
その変更によって、「その後どうなったか」まで確認することで完結するものになるので、
【作業内容】と【変更後に見るポイント】についてまとめています。

①予算調整

【作業内容】
予算消化ペースに合わせて、日予算を上げたり下げたりします。
基本中の基本なので、毎日アカウントを見て調整する必要があります。
予算を使えないアカウントは、実際に消化したい金額よりも日予算を高く設定することで、
予算を使えるようになる場合があります。

【変更後に見るポイント】
日予算変更後は、その通りに予算が消化出来ているか見る必要があります。
日予算を変更しても予算消化ペースが変わらない場合は、他の施策を試しましょう。

②入札の調整

【作業内容】
予算を充分に消化出来ている場合は、入札を下げていくことで
CPA改善に繋げられる可能性が高いです。
アカウントにもよりますが、5円~10円ずつ引き下げてみて、
配信ボリュームは維持したままで、下げられるギリギリの入札単価を見極めます。
逆に、日予算を上げても予算が使えない案件は、インプレッションシェアの損失を見て、
もし広告ランクによる損失がある場合は、入札を上げることで予算消化ペースを上げ、
クリックも多く獲得出来るようになる可能性が高いです。

【変更後に見るポイント】
入札変更後は特にアカウントのチェックが欠かせません。
入札を下げた場合は、それでもちゃんと予算が消化出来ているか?を見る必要がありますし、
入札を下げると掲載順位が下がることも考えられるので、
掲載順位が下がってもCVRは維持出来ているか?を確認する必要があります。
予算が消化出来なくなってしまったり、掲載順位が下がることでCVRも下がり、
逆にCPAが悪化してしまったりするようであれば、以前の入札に戻します。
逆に、入札を上げた場合は、上げたことで予算が消化出来るようになっているのか確認しましょう。

③KWの追加

【作業内容】
CVが出ているKW、メインKWは完全一致での追加推奨です。
KWを追加することで、配信ボリュームを増加させたり、
CPCを下げられたりという効果が期待出来ます。
特に、部分一致の追加はCPCを下げられる効果が大いに期待できます。

【変更後に見るポイント】
部分一致を追加した際は、無駄な流入が増えるリスクもあるので、
クエリを見てこまめに除外することが必要です。
KW追加によって配信ボリュームが増えるので、予算が使えていなかったアカウントに関しては、
予算消化を促すことが出来ているかチェックしましょう。

④KWの除外・停止

【作業内容】
サービスに全く関係のない語句は見つけ次第随時除外します。
また、3ヶ月に1回くらいのペースで検索クエリを見て、
予算を使っているもののCVに繋がっていないものは除外推奨です。
案件にもよりますが、目安として、
目標CPAの2倍の費用を使っているのにCVしていないものは除外してOKだと思います。

(例)
CPA10,000円の案件の場合は、20,000円使っているのにCVがないものを除外

KWも同じ考え方で、上記の基準で見て必要ないKWは停止すると良いかと思います。
ただ、CPAに厳しい案件に関しては、CPAを上回る金額を使ってCVがないものは全て停止するなど
基準を厳しくすると、より改善に繋がりやすいです。

【変更後に見るポイント】
KW除外や停止をすると、配信のボリュームが減ります。
予算消化ペースが一気に落ちる可能性もあるので、
その場合は新たなKW追加や入札を上げるなどで対応します。
特に、CPAに厳しい案件の場合は停止するものが増えてくるかと思いますが、
その分ボリュームを維持するのが難しくなるため、
停止した中でCPAがマシなものはいくつかオンにするなど、
ボリュームとCPAのバランス調整が必要です。

⑤広告表示オプションの設定

【作業内容】
つけられる限り多くの広告表示オプションを設定することをお勧めします。
コールアウト、サイトリンクは8つ以上設定することがGoogleから推奨されています。
また、サイトリンクは全角8文字以内になるようにすると、表示機会が増えるようです。
他にも、構造化スニペットや価格表示オプションなど、
アカウントに合ったオプションがあれば可能な限り活用していきましょう。

【変更後に見るポイント】
広告表示オプションをつけることで改善が見込めるのはクリック率です。
適用前と適用後でクリック率が上がっているか確認しましょう。
また、広告表示オプションも通常の広告と同様に広告審査があるので、
承認されているかどうかもチェック必須です。
設定したものの表示されていない、という場合は、掲載順位が低い可能性がありますが、
そうでない場合は何らかのトラブルの恐れがあるのでサポートに聞くのが良いかと思います。