「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」というキーワードを最近よく聞きませんか?
ITPとは、 とは2017年6月5日にApple社が発表した、Safari内でのトラッキング(追跡)を防止する機能です。
リターゲティングなどCookieを使用した配信が難しくなるだけでなく、クリックしたユーザーとコンバージョンしたユーザーを紐付けることが難しくなる、つまりWeb広告の成果の“見えない化”が進むと言われています。
またITP2.0 の影響により、従来コンバージョ計測で利用していた 3rd party Cookie yahoo.co.jp ドメインで発行した Cookie は利用不可となりました。
そのため、広告主様ウェブサイトCookie (1st party Cookie)を利用した計測行う必要があります。
アカウントのパフォーマンスを下げないためにもYahooSS&YDNのITP影響と対策補完タグ設置方法を把握し、計画的に実装していきましょう。
目次
ITPの影響とは?

青が拡張なし、オレンジが拡張あり
ITPの影響をまとめたデータでは、自動タグ拡張機能導入あり・なし別リーチ数推移はリーチ数が多かった時期と比較して、拡張なしで-5%、拡張ありで+20%となっており最大で25%程度の差が発生している。
ITPの対策をしないと受けてしまう影響は大きくわけて3つあり、広告運用において悪影響になるため正確な影響把握をしておく必要があります。
コンバージョン測定機能
今までの方法ではCookieの保存が出来なくなり、ITP2.0 が適用されたSafari経由のコンバージョンを正確に計測できなくなる。
自動入札機能
コンバージョンが正確に測定できなくなり、コンバージョン最適化機能の精度にも悪影響を及ぼします。
サイトリターゲティング機能
広告主サイトに設置しているタグが発火しないため、リストが蓄積されず、リーチが出来なくなる。
またITP前のリストは有効期限内は保持されます。
コンバージョン計測補完の仕組みとは?
ITPの影響が大きいことは理解して頂けたと思いますが、実際どういったロジックの対策を行っているのかクライアント様に説明できるように仕組みを整理していこう。
1st party Cookieを利用したトラッキング

ヤフーで作られたCookieと広告主様サイトで作られたCookieの2種類
ITP2.0 の影響により、従来コンバージョ計測で利用していた 3rd party Cookie yahoo.co.jp ドメインで発行した Cookie は利用不可となりました。
そのため、広告主様ウェブサイトCookie (1st party Cookie)を利用した計測を行いカバーしていく。
YCLIDが付与される

遷移先の広告主様サイトのURLにYCLIDが付与される
「YCLID」とは、ユーザーが広告をクリックした際に付与されるクリック識別子のことを指します。
YCIDを広告主様サイトの1st party Cookieに書き込むことで、コンバージョン計測の補完機能が利用可能となります。
自動タグ設定とは?

自動タグ設定は、アカウント単位で設定可能
YCLIDを付与する機能が「自動タグ設定」です。
自動タグ設定をオンにすることでユーザーが広告をクリック後、最初に遷移するURLに「yclid=xxxxxxx」というパラメーターが付与されます。
一部のウェブサイトでは任意のURLパラメータが許可されず、エラーページが表示される可能性があるので、広告をクリックして動作を確認いただくことをオススメいたします。
自動タグ拡張機能の導入手順
YDNの「自動タグ拡張機能」を利用するには、「サイトジェネラルタグ」に「自動タグ拡張機能」用スクリプトの追記をすることで導入が完了します。
指定コードをサイトジェネラルタグの直下に設置
YDNの「自動タグ拡張機能」を利用するには、「サイトジェネラルタグ」に「自動タグ拡張機能」用スクリプトの追記が必要になります。
下記のスクリプトをコピーし「サイトジェネラルタグ」の直下に追記してください。正しい位置に設定できていない場合機能が損なわれるため慎重に確認して作業を行いましょう。
<script async src=”https://s.yimg.jp/images/listing/tool/cv/ytag.js”></script>
<script>
window.yjDataLayer = window.yjDataLayer || [];
function ytag() { yjDataLayer.push(arguments); }ytag({“type”:”ycl_cookie”});
ytag({“type”:”ycl_cookie_extended”});
</script>
青字部分をコピーし、 「コンバージョン測定補完機能タグ(およびサイトジェネラルタグ)」にペーストで追加します。
※青字部分は必ず「ytag({“type”:“ycl_cookie”});」
より後に追記してください。
上記のタグをコピーしてペーストする場合、文字コード設定の誤りや抜け漏れに注意し、正しくコピーされていることを確認してください。
またコンバージョン計測、リターゲティングの両方で使用する場合でも、設置するジェネラルタグは1ページにつき1つのみなので注意が必要です。
さらに詳細な設定が必要なケースは下記資料にて確認できます。
【拡張あり】Yahoo!プロモーション広告_CV補完機能導入手順書_ver.3.2
まとめ
コンバージョン計測のリターゲティング配信の補完についてお伝えしました。
ITP対策は媒体によって異なってきますので、ITPのアップデートに伴う対策方法をアカウントマネージャーが把握していない場合、アカウントのパフォーマンスにマイナス影響がでてしまいますので注意が必要です。常に媒体のアップデート情報を確認するよう心掛けたいものです。